芯
日に日に寒くなってくる。
前々から小説っぽいものを書けたら楽しいんだろうなあて思ってはいるものの、そのたびに偉大な小説と対面して、まあ読んで楽しければいいか、って諦める、その繰り返し。
なんだかんだ歴史小説は好きだけど、どこかお堅い感じがあり、つい読みやすそうな小説を選んでしまうから、「いつまでも同じこと繰り返してもつまらないだろ」と言い聞かせて読むことにした。
歴史小説って、その時代背景知らないと楽しめないんじゃないかとか、思っちゃうとっ本当に読めなくなるから、そう思う気持ちをいかに振り切れるかというのが本当に課題。
『燃えよ剣』は大河ドラマでも題材で取り上げた新選組の副組長・土方歳三をメインにその生き様を描いている小説なんだけど、幸いこの時代は苦手としてないので読みやすかった(室町とか院政期は本当に困る)。
福山雅治が主演した『龍馬伝』(高校時代、これで散々ふざけたな)を見ていたこともあり、僕の中では明治維新期は比較的イメージしやすい時代なのだと思う。
テレビの力は偉大なんだな(笑)
そういえば真木よう子ファンになったのは『龍馬伝』の影響でしょうな(笑)
今となっては歴女の間でも人気の高い新選組なんだろうけど、高校の日本史では取り上げられることは少ないので、いわゆる日本史のメインプレーヤーではないのだと思っている。
まあ簡単にいえば町の治安維持していたら、主人が変わって、それは受け入れられないから、反抗したという感じだから、仕方ないのか。
新しい世が受け入れられない、つまり旧来の生き方を貫いたと見れば、海外の人の日本のイメージはSAMURAIだという本当か嘘か分からない話があるけれど、明治維新期は武士の最後の時代を生きた人=土方歳三とも見ることが出来る。
この小説から、明治維新期の時代の振動を描きつつ、武士としての生き方を貫く土方歳三の信念を感じた。
明治維新期には一つの断絶があって、現在とは文化も精神も、それ以前とは全く異なように見える。
福沢諭吉は『文明論之概略』の中で、文明を進歩させるのには外面は西洋の模倣でも構わないが精神、国の気風は失ってはいけないとのことを書いているけれども、
さて、今の僕たちは建国2600、700年(神武天皇の即位から)といわれる日本の精神を受け継いでいるのだろうか。
海外行く度に、僕は日本にいたいと思ってしまうんだけど、自分のどこにそんな日本を愛するところがあるのかを、ちゃんと言葉で考えてみたら、もしかしたら先祖から渡されてきた日本人らしさにたどり着くのかな。
これから恐らく日本らしさとは何かということを一票という形で表明しなければならない時が来る。
その時にちゃんと応えを持っていなければならないと思っている。
『燃えよ剣』。
2016.11.8
こばやし